2024年8月5日に食の交流拠点「るるるる」でアートをテーマに、こがのばトークが開催されました!古賀を拠点に活躍する人から世界を舞台に活躍される人までと幅広い登壇者のプレゼンがありました。
本記事では、イベントの様子が分かるレポートとなっています!「古賀が地元」「今住んでいる古賀で何かやりたい!」「古賀に移住してきたばかり」という方は、ぜひ最後までご覧ください!
こがのばトークとは
古賀のまちで活躍する魅力的な方々に出会える参加無料の交流イベントです。古賀市で食やアート、スポーツなどさまざまな分野で活躍されている方、もしくはこれからの活躍が期待されている方々が登壇し、事業内容や今後の展望などが語られます。
発表後は食事を交えての交流が楽しめ、イベント参加者は普段出会う機会の少ない「古賀市の魅力的なプレイヤー」と出会える無料トークイベントです!
- 運営者より「こがのばトーク」概要説明
- 登壇者によるプレゼン発表・質疑応答
- こがのば実験室の紹介
- 懇親会
こがのばトークの概要説明
運営の橋口さん、松見さん、小澤さんのあいさつがあった後、こがのばトークの概要説明がありました。
運営者 橋口さんより
今回は『アート』をテーマにお集まりいただきました。前回は『食』、次回は『スポーツ』をテーマに企画しています。
「古賀は何もない」と言葉にしがちですが、実は“魅力あふれるまち”と示すためにも、各個人がおこなう取り組みや事業を紹介し、集まってくださった方々が「古賀って面白い」「あの人と話してみたい」「もっと話を聞いてみたい」と思っていただける場として開催しています。自分も何かやってみたいと思っている人が、この場の交流を通して発展していただければうれしい限りです。
今年が2年目となるこがのばトーク、来年以降もこの活動を続け、古賀市民5.9万人がこがのばトークに足を運んだことのある状態を目指しています(笑)
登壇者による自己紹介とプレゼン
アートをテーマに開催した今回のこがのばトークでは、9名の登壇者にプレゼンしてもらいました!古賀を拠点に『アート』の分野で活躍される方々の発表をまとめましたので、ご覧ください!
柿原啓亮さん
みんなでつくる古本屋こと、「みんふるや」を運営する柿原さんは、古本屋の運営に加え、子どもの習字教室や音楽活動をおこなっています。登壇した当日も、ノミヤマ酒販のイベントでロックンロールを披露し、こがのばトークへはしごして来たそうです。
7,8年前から古賀市で活動したい気持ちを強く持っていた柿原さんでしたが、まちとの関わり方や資金面、事業をおこなう場所がないことに悩んでいました。そこで、ゴミ拾いのボランティアをしてみるものの、自分主導でないことからモヤモヤを拭いきれなかったそうです。
あるとき、”捨てられる本” と “まちの空きスペース” を活用すれば古本屋ができるとの発想が生まれ、自分の考えに共感してくれる方を探すためにSNSを使って古賀で活動する方をフォローしていきました。すると、古賀市民の方を起点に古賀でお店を経営する方とつながり、さらには他のお店へ紹介してもらえたりと、拠点づくりができたそうです。
しかし、古本屋は場所があるだけでは運営できません。本の寄贈までも “SNSでの人とのつながり” で成し遂げ、「みんふるや」の輪を広げていきます。現在は、古賀市内外のお店の一角を借り、7か所の古本屋と3か所の図書館を運営しています。今後は空きテナントや学校の空き教室、空き家を活用し、古本屋・図書館を作っていきたい!と意欲がみなぎっていました!
西口商店街の雰囲気とマッチする古本は、まちの新しいコンテンツの1つとして注目を集めそうです!
みんふるやの写真(見る場合はタップ!)
大沼加恵さん
あみもの作家とイラストクリエイターで活動する大沼さんは、ユニークな作品をつくる作家です。ご自身も作家でありながら、2023年12月に古賀市青柳町で雑貨店「sorajima.」をオープン。個性的でハイクオリティな作品をつくる作家の商品を全国から集めたセレクトショップを経営されています。
テクスチャーアートやアクセサリー、バッグ、陶器などさまざまな雑貨を取り扱うだけでなく、レンタルスペースを併設し、頑張っている方に向けて応援価格で場所を提供しています。焼き菓子やドリンクの販売もあり、地域の方が訪れる場となっています。POP-UP出店やイベント出店も可能で、秋には小さなお祭りを企画されているのだとか。
インスタライブで作品を全国へ発信し、”唯一無二の雑貨店が古賀にあることを知ってもらいたい” と意気込んでいらっしゃいました。
「やりたいことはあるけれど、どうしたらいいかわからない」そんな気持ちを抱えている方に向けて、「一人ではできないことでも、多くの方の力を借りれば成し遂げられる。一緒に考えていきませんか?」と語られました。
地域のコミュニティ拠点として、誰かの背中を押す場所が古賀にできることを楽しみにしています!
sorajima.の写真(見る場合はタップ!)
高山道代さん
高山さんは油彩画、アクリル画を経て、現在は水彩画をメインに作品づくりをおこなう画家です。絵と出会ったきっかけは、今から13年ほど前に訪れた香川県のアートの島 直島の美術館に行ったことでした。美術館に入った瞬間、絵を描く衝動にかられ、働いていた職場を辞めて画家になったとの話は驚きを隠せません。
美術学校で学んだ経験はなく、画家となった高山さんですが、美術館の展覧会参加や個展開催、アートイベントのライブペイントなどさまざまな活動に加え、SNSや知人を通してオーダーを受け付けており、要望された水彩画を描いています。
水彩画を描くなかで絵の具の魅力にとりつかれた高山さんは、昨年1年間活動を休止し、アクリル絵の具の顔料となる粉の研究をはじめます。絵の具は大地(草木)の化学反応で生まれたものと知ると、もともと地球環境に配慮した生活をしていた高山さんは “アート”×”食” のイベントを食の交流拠点「るるるる」で開催。ノミヤマ酒販さんと、こがのばトーク運営者 橋口さんの協力のもと、楽しいイベントを締めくくることができたそうです。
今後は、アート人口を増やすべく、アートショップや食イベント「循るごはん」でお祭りのような企画をおこないたいと語られました。
食の交流拠点「るるるる」でのイベント主催ありがとうございます!
次回のイベントもよろしくお願いします!
高山さんの写真(見る場合はタップ!)
安部佑太さん
安部さんは、箱崎で “器をつくる陶芸アーティスト” として活動しています。九州産業大学芸術学部の陶芸コースを専攻し、卒業後は栃木県の益子焼で修行を積みました。九州に戻ってからは箱崎に工房を構え、陶芸教室の運営や作品制作に取り組んでいます。
安部さんが作った作品は、山口県美祢市のオクルで販売しているほか、マルシェでも販売しています。工房では電動ろくろを使用した陶芸教室が開かれ、親子で作品制作することも可能です。手回しろくろを使った出張陶芸教室も開催しており、食の交流拠点「るるるる」でも陶芸教室が開かれました。
安部さんは「陶芸体験を通してモノづくりの楽しさや手作り品の良さ・そして悪さも体験してもらいたい。自分で作った器を使う喜びを多くの人に知ってもらいたい」と話されました。
不覚にも参加者の興味を惹いたのは、趣味の水切りです。安部さんは40~50回水切りできるそうで、10月に高知県でおこなわれる大会に向けて練習を重ねています。
動画撮影し、コマ送りで水切り回数を数えるのは知りませんでした!知らない世界を堪能できて楽しかったです!
安部さんの写真(見る場合はタップ!)
真鍋政之さん
真鍋さんは洋画家で、高校から美術を学び、大学ではヨーロッパの古典絵画技法を習得しました。ロンドンナショナルギャラリーの絵画修復士からアドバイスを受け、技術を磨いてきた真鍋さんは、26歳でみぞえ画廊からプロとしてのキャリアをスタート。今年でプロ13年目を迎え、2023年に画商から独立してフリーで活動を始めました。
真鍋さんの作品コンセプトは “永遠に在りつづけるもの” であり、仏教の生命観である『過去』『現在』『未来』にわたる永遠の時間の流れを描きます。作品は見る人に温かみや希望を感じさせます。
中学生の頃から一生続けられる仕事を探していた真鍋さんは、芸術大学進学でプロになりたい気持ちが強くなりました。大学院時代に体調不良で休学したことから将来が不安になり、画家を諦めかけていたところ、個展で作品が完売。若手登竜門のコンクールでも入賞したことで自信を取り戻したといいます。
現在、デパートの美術画廊や企画画廊で個展・企画展に出展するほか、釜山のアートフェアにも出展し、グローバルに活動しています。
積極的に海外へ進出する真鍋さんですが、ローカルな活動にも注力すべく、地域性が色濃く残る福岡・古賀をアートで盛り上げたいと語りました。食の交流拠点「るるるる」で”つながるKOGART(ワークショップ)”を開催したことのある真鍋さんは、1年後には大規模なアートイベントを主催したいと熱をこめられました。
実際に絵を持参くださりありがとうございます!圧巻でした!
真鍋さんの写真(見る場合はタップ!)
松尾彩さん
画家を志したのは幼稚園の頃からと話す松尾さんは、武蔵野美術大学に進み、絵を気に入ってくださった方の協力を得て銀座や人形町のギャラリーで展示会を開催。大学卒業後もグループ展をおこない、活動を続けていました。トーキョーワンダーウォールに入選を果たした松尾さんですが、体調不良により東京から福岡へ帰郷されます。
長期入院中、何もできない時間を過ごしていましたが、心が絵を描くことを望んでいるのか病院側に紙とペンを要求し、ノートに1日1ページ絵を描き続けたといいます。
退院後、お酒好きの友人に誘われて行ったノミヤマ酒販さんで転機が訪れます。ノミヤマ酒販さんから “壁の活用” を提案され、1年間絵を飾っていただけることに。ノミヤマ酒販さんでの出会いから輪が広がり、コーヒーのパッケージデザインを任されたり、お酒のラベルデザインを作ったりと活動を広げていきました。
現在では、グループ展やライブペイントでアートの魅力を伝え続ける松尾さん。今後も絵を描き続けていきたいと笑顔で語られました。
「私のやりたいことは、ずっと絵を描くことです」というフレーズがとても印象的でした。
松尾さんの写真(見る場合はタップ!)
森本翔馬さん
着物の丸洗いや染み抜き、柄修正など服のトラブルに対応する『一級染色補正 翔』は、古賀市青柳町にあります。主に、クリーニング屋や呉服店、ブライダル店と取引をおこなうお店ですが、最近、一般のお客様も取引できるようになりました。和服や洋服の染み抜きはもちろん、日焼けした靴の色修正や、漂白剤で脱色してしまったものを復元するなど、リペアを得意とされています。
4年後の事業継承に向けて勉強中の森本さんは、事業継承に力を入れる福岡県のリソース投下型プログラム『ISSIN』で採択され、デロイトトーマツ(外資系総合コンサル)、Makuake、県庁の協力のもと新商品開発に挑戦。できあがった商品『しみぬきトントン』をMakuakeのクラウドファンディングで販売し、目標金額1,000%超を達成しました。
汚れてしまったものや色あせたものを自社の技術で復元させ、魅力を取り戻して販売するリユース業に進出したいと語られた森本さん。環境保全にもつながる同社の新事業には目が離せません。
テレビでも特集された『しみぬきトントン』は、ファンデーションや口紅、ボールペンなどの油性汚れに特化した除去剤です。店舗販売のほか、今後はネット販売も予定しているそうです。
「技術があるからこそ、事業の幅が広がる」そんな事例を聞けて楽しかったです!
森本さんの写真(見る場合はタップ!)
八川一郎さん
長崎材木店で設計チーフを務める八川さんは、家族を守る家・家族との距離感を保てる間取りの住宅設計を極めるという生涯を通した挑戦があるそうですが、今回のこがのばトークで披露してくださった内容は、住宅とは異なる “店舗のリノベーション” についてでした。プレゼンで発表いただいた店舗は、宮若市にある『うつくしき』、福津市にある『A.PUTEC FLEGO』、そして古賀にある『ノミヤマ酒販』の3店です。
『うつくしき』から、鶏舎をリノベーションしてアトリエにしたいとの依頼を受け、コンセプト決めを実施。依頼主はインドへ石を買い付けに行き、ほぼ加工せずにジュエリーを作り上げる作家であり、依頼主の作品コンセプトに合わせた建物にすることが決定されました。内装の壁や柱はそのまま残し、外装で安全強度を高める工法でリノベーションした結果、元々の建物の構造の良さを活かしたアトリエが完成しました。
次に、築40~50年の農家住宅をイタリア料理店へとリノベーションした八川さん。日本人が考えるイタリア料理店の外観では面白くないと考え、イタリア人が考える日本の建築物をテーマにリノベーションしました。店主の持つ特色と長崎材木店の特色を融合させ、炭を入れたモルタルに塗装したカウンターを造作。今では風合いが出たカウンターになっているそうです。また、農家住宅にあったはしごを使って照明も作り、経年美化という言葉がしっくりくる店内になっています。『A.PUTEC FLEGO』の店主はリノベーション当時、日本語が話せなかったそうですが、今では日本語ペラペラだそうです。
さらに、『ノミヤマ酒販』のリノベーションでは、角打ちの良さを残したいと考え、店主と何度も議論を重ねた結果、昭和の時代に戻したような角打ちにし、お酒とお店が熟成していく様子を表現しています。お店の床材をコンクリートから木へと変えることで歩くとコツコツと音がし、酒棚と床がなじんだ店内に仕上がっています。
プレゼンいただいた建築事例がストーリーも含めて美しく、プレゼンに没入しておりました。他にも建築事例をたくさん見てみたいです!
八川さんの写真(見る場合はタップ!)
坂﨑隆一さん
坂﨑さんは、20代から国内外で個展やグループ展をおこなう作家ですが、シカゴの美術館での就労経験があり、福岡県立美術館や福岡市美術館など、多くの美術館で展示空間の設計・施工もされてきました。
また、美術館がない古賀市の小中学生をバスに乗せて美術館見学に行く古賀市アートバス事業を古賀市文化課とともに運営。さらに、文化力向上事業として、小学5年生を対象に古賀市が所有する赤星考・信子夫妻の絵を鑑賞し、抽象画を描く授業をおこなっています。
古賀市内で手掛けた企画、設計施工は『パスタ&塾のLEGARE』『舞の里小学校の空き教室美術館(舞小美術館)』『古賀東中学校内にエコけんの事務所』などがあります。場所を作るだけでなく、地域に根差した活動として、『朝勉&朝弁』『ミニミニ塾』『青柳校区寺子屋』『青柳校区通学合宿』『青小サマースクール』を運営し、子どもたちへの教育支援を積極的におこなわれています。
舞小美術館は朝日新聞で取り上げられ、「一流の作品を身近に置くことで子どもたちの感性を育む」と紹介されました。
アートを通して教育に力を入れる坂﨑さんの活動は、未来を担う子どもたちの糧となっているはずです!
坂﨑さんの写真(見る場合はタップ!)
懇親会の様子
登壇者のプレゼンと、こがのば実験室の紹介が終わると、次は懇親会です。今回の食事も前回に引き続き、南部食堂さんのケータリングを利用させていただきました。
おいしい食事を楽しみつつ、登壇者と参加者同士の交流でにぎわいました。登壇者同士で情報交換する場面も見受けられ、イベントに参加された方々が有意義に過ごされていました!
▼イベントの様子が分かる動画はこちら
登壇者・参加者の感想(一部抜粋)
登壇者、参加者の方々から、今回のイベントに対する感想をいただいております。
登壇者より
- 皆さんに負けないように頑張ります
- 普段出会うことのない方たちとお話しできて、とても貴重な時間でした
- 個性的な方々と知り合えて面白かったです!
- ビジネスマッチング会とも異なる、地域にいる面白い人たちが知り合えるすばらしいイベントだと思いました
参加者より
- “アート” を色んな切り口で知れてとても面白かったです!次回も楽しみにしています!
- アートに触れる機会が少なかったのですが、様々な種類のアートの話が聞けて興味を持つことができました
- 何かできることがあればと思い参加しましたが、若い方が活動的に行動されていて元気をもらいました!
- 商店街はシャッター通りとなり、観光とも縁がないと思っていた古賀の魅力を再発見できました!ありがとうございます
まちの空間を演出してくれるアートで、古賀を魅力的なまちにしていきましょう!
次回のイベント告知
今回は「アート」をテーマに開催したこがのばトークでしたが、次回は8月31日(土)に「スポーツ」をテーマに開催します!詳細は下記にてお確かめください。
また、こがのばトークの発展形『こがのば実験室』と呼ばれる、やってみたいことをチームで具現化するイベントを開催いたします!今回ご参加いただいた登壇者や参加者からは「○○をやってみたい!」と具体的な話しが出ていました。
定員は20名です!やってみたいことがある方はもちろん、誰かの応援をしながら自分のやりたいことを見つけたい方は、ぜひご参加ください!
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