地域にいいこと×やってみたいことを実行!こがのば実験室2024をレポート

こがのば実験室2024 第1回

こがのば実験室とは、「古賀のまちが抱える課題」や「自ら発見したまちの課題」と、あなたの “やってみたいこと” や “アイデア” とをひも付け、小さな実践をする全5回の講義・ワークです。

松見

昨年に引き続き、今回で二度目となる本イベントも定員20名の参加者が集まり、開催することができました!ご参加いただいた皆さん、長期間にもかかわらず、ご参加いただきましてありがとうございます!

それでは、イベントの様子を紹介していきます!

目次

第1回こがのば実験室の様子|2024年9月8日開催

初回のこがのば実験室では、オリエンテーションに加え、チームビルディングと古賀の現状を学ぶ時間が取られました。まずは古賀市役所 経営戦略課 中田係長のお話です。

古賀市役所 経営戦略課 中田係長

こがのば実験室は、まちづくりのプログラムです。まちづくりの定義はないのですが、早稲田大学 佐藤先生がまちづくりについて定義されているので、ここで紹介します。

『地域社会に存在する資源を基礎として、多様な主体が連携協力して、身近な居住環境を漸進的に改善し、まちの活力と魅力を高める持続的な行動・活動をいう』

まちづくりにおいて重要なポイントは以下の3つです。
「多様な主体が連携協力すること」「持続的な行動・活動ということ」「居住環境を改善していく地域の魅力を高める活動であること」
ゴミ拾いに例えると、個人がゴミ拾いを継続しても、まちづくりとは言えないでしょう。しかし、地域住民や学校が連携し、清掃活動をおこなったり、ポイ捨てされない工夫をおこなったりすれば、まちづくりと言えると思います。プログラムでもこの3点を意識し、臨んでいただきたいと思います。よろしくお願いいたします!

次にファシリテーターの貴島さんから、こがのば実験室の概要説明がありました。

ファシリテーター 貴島さん

私は今回、ファシリテーターとしてこの場に来ました。みなさんが胸の中に秘めている“やってみたいこと”を話しやすくし、場を促進する役目を努めてまいりますので、よろしくお願いいたします!
こがのば実験室は、古賀市でやってみたいことを実験するイベントです。みなさんの“やってみたいこと”と“地域の課題”をひも付け、課題解決に導けられたらと思います。

具現化するコツや考え方を学び、チームで実現させていきましょう。

参加者の自己紹介

初対面の方ばかりのため、まずは自己紹介からはじまります。周囲の人と3,4人のグループをつくり、自己紹介をする。そしてまた、新たなグループをつくり自己紹介をしていくといった少々変わった自己紹介です。

松見

チームづくりにおいて、相手を知ることは重要です。
「全員の前で自己紹介をしてください」と言われると、ほとんどの方は緊張してしまうのではないでしょうか?
そのため、小さなグループをつくって何度か自己紹介をするというのは、チームビルディングのコツだと感じました!

グループに分かれての自己紹介

参加者の人柄がわかったところで、次は貴島さんからチームビルディングに必要な「大切にしてほしい心得・考え方」を学びます。

大切にしてほしい心得・考え方

こがのば実験室に取り組むうえで大切にしてほしいと話された内容は以下の通りです。

大切にしてほしい心得
  • 主語を「私たち」にして相手との距離を遠ざけない
  • 耳を澄ませて聴く
  • 否定も断定もしない
  • 答えを一つと思わない
  • 沈黙を歓迎する
  • アイデアをつなげる
  • 心の変容を許す
大切にしてほしい考え方

やってみたいこと × 地域にいいこと、誰かにいいこと 

松見

仕事でも家庭でも使える心得ですね!

これから半年間通して「やってみたいこと × 地域にいいこと、誰かにいいこと」をつくっていくため、古賀市の現状を知っていきます。

古賀市の現状共有

古賀市 田辺市長

今年は古賀市 田辺市長自ら古賀市のまちづくりの理念や基本姿勢、事例をご説明いただきました。経営戦略課の永利さんからは、各分野で抱える課題やまちの魅力の現状共有がありました。

古賀市がおこなう共創まちづくりは全国の自治体・議員議会・民間企業から注目を浴びており、事例を知りたいと視察が来るほどだそうです。そんな古賀市が持つ「理念」は以下の通りです。

古賀市の理念

多様な主体と共にまちをデザインし、次の世代、生まれてくる世代のために持続可能な社会にする

松見

「多様な主体と共に」とうたっているところが、当イベントにも表れている気がします。

古賀市の特徴

  • 交通の要所として、3つのJR駅、国道3号線、県道35号筑紫野古賀線、九州自動車道(古賀IC)がある
  • ものづくり(食品工場)の会社が多い
  • 海、山、工業地域、居住地域がある

古賀市まちづくりの基本姿勢

古賀市のまちづくりの基本姿勢は、DX、シェアリング、公民連携、多様な人材活用を掛け合わせ、共に創り出すことを大切にしています。詳しくは下記の通りです。

DX

デジタル技術を社会に実装し、変革を起こす。

シェアリング

もの、とき、場所、スキルといったものを共有することで効率化を図ったり、新たな発想が生まれたりすることで、社会の持続性を高めていく。

公民連携

複雑化、多様化した社会課題に対応するため、公民の連携を図る。

多様な人材

多様な人材の経験・知見・感性を掛け算させて共創まちづくりをおこなう。

こうした、まちづくりの基本姿勢に加え、古賀市は独自の政策をおこなっています。それは、新聞に載る政策です。新聞に載るのは、取り組み自体に先進性や特性があり、第三者が評価してくれたから。まちの課題を解決する政策が尖っていれば尖っているほど、そして実効性があるほど新聞に載り、これはシティプロモーションにつながっているそうです。

これまでおこなってきた事例紹介

古賀市は、まちづくりの実証実験として、さまざまな取り組みをおこなってきました。田辺市長から発表いただいた取り組み内容の一部をご紹介します。

歴史ある天然温泉旅館をサテライトオフィスへ(シェアリング・DX・公民連携)

薬王寺温泉 快生館の廃業を機に、内装を改装してサテライトオフィスへ。管理は外部委託でおこなう。

食の交流拠点「るるるる」(公民連携・シェアリング)

古賀駅西口商店街の再生を民間に発注。複数テナントを入れるだけでなくシェアキッチンを備えた施設とした。

小中学校の水泳授業を民間へ委託(公民連携・シェアリング)

教師のプール管理業務削減、建て替え費用の削減のためにスイミングスクールへ業務委託し、年間を通した水泳授業の実現と費用削減に成功。

課題の提案から解決策までを民間へ委託する実証実験(公民連携・DX)

シティプロモーションとキャリア教育を掛け合わせた事業、自治会DX等など複数提案があり前年度は5件採択。民間同士で課題解決につながる可能性も生まれ、地域活性化を全員で取り組むことを大事にしている。

脱炭素化プラットフォーム(公民連携)

企業、国・県・古賀市のみならず金融機関も一緒に脱炭素化へ向けた取り組みをおこなうプラットフォームを開設。

子どもが主体となったまちづくり(公民連携)

月1回、市長が子どもたちと一緒に給食を食べ、古賀市の課題を共有。まちづくり10年計画を子どもたちに理解してもらい、まちづくりに参加させることで原体験をつくらせた。将来、政治に関わる人を生み出すことが目的。

取り組み実例が多数の古賀市でも、まだ抱える課題はあると言います。各分野から課題とまちの魅力をヒアリングした内容を共有してもらいました。

古賀市の課題共有(永利さんより)

古賀市役所 経営戦略課 永利さん
子育て分野(子ども家庭センター)

課題:少子化、外国人(大人・子ども)との意思疎通

魅力:妊娠期からの訪問事業、こがたからばこの配布、医療費18歳まで無償化

健康分野(健康介護課)

課題:2040年の超高齢化社会に向けてのサポート、健康づくり推進委員のメンバー不足

魅力:地域の集いの場があり高齢者の社会参加ができている、出前講座での健康測定機器が充実している

環境分野(環境課)

課題:ぐりんぐりん古賀の人材不足、2050年CO2排出ゼロへの取り組み

魅力:地域エコ活動、動物・ペットの手術、ワクチン接種等

デジタル分野(デジタル推進課)

課題:デジタルが苦手な人への理解、デジタル嫌いの克服

魅力:公式LINEでの電子申請

商工分野(商工政策課)

課題:創業後の支援、大きな観光スポットがなく消費が少ない

魅力:温泉、飲食店、食品加工団地がある

感想、質疑応答の様子

古賀市のこれまでの取り組み、各分野での課題・魅力を聞いて感じたことを参加者同士で共有するため、再びグループ対話がおこなわれました。感想や疑問に思ったことを共有し、田辺市長へ伝える場が設けられました。

次に、宗像市で土地活用をおこない、さまざまなプロジェクトを手掛けてきた谷口さんのお話しです。

講座|話題提供者 谷口竜平さん

谷口さん

プロデューサー・デザイナー、宗像経済新聞 副編集長
1980年生まれ。福岡県宗像市出身。祖父母から受け継いだ里山でツリーハウスを作り、キャンプエリアも展開。空き家となった実家はシェアハウスへ、倉庫はオフィスへと改装。人の集う場として宗像経済新聞の焚き火編集室もおこなう。現在、自然×科学×アートを組み合わせた小学生向けの習い事スクールを準備中。

谷口さんは宗像市に1万坪を超える土地(山・実家・納屋)を相続し、売却せずに活用することを決意。自身の職業を活かし、新たな挑戦をすることにしました。

松見

通常、1万坪を超える土地を相続すると管理が困難で売却を考えがちですが、谷口さんは土地活用を選択したのは素晴らしいことです。
谷口さんのお話には重要なポイントがたくさんありましたので、かいつまんでご紹介していきます!

谷口さんの土地活用プロジェクトは全て、仲間の協力を得て実現されました。とはいえ、宗像市に知り合いがいなかった谷口さんは、SNSを活用して仲間集めからスタートしたと言います。こうして集まった人々と共にプロジェクトを遂行し、一人ではできなかったことを実現させてきました。

また、谷口さんの考え方で特に参考になったのは、未活用の資源から新たな価値を創造し、収益を生み出すという点です。そして、複数のプロジェクトを継続できている理由は、全て自分事と捉えているため。谷口さんは「興味がなければ続かず、自分事にならなければ継続できない」と語りました。

人とのつながりの拡大が新たな機会と発展をもたらし、「30代、40代という年齢ならではの行動力」と「やらないよりはやってみる」という姿勢が多様なプロジェクトの実現につながっています。「不安を感じても、大きな筋道をつくり、知見者に聞く。その上で自分にできるかどうかを客観的に判断していた」との話は、参加者にヒントを与えてくれたように感じます。

グループ対話

午前の講座が終わり、食事休憩を挟んだら全体で自己紹介をしました。

自己紹介が終わると、次はいよいよ各自やってみたいことを話すグループ対話です。やってみたいことがある人はグループ内で共有し、発想を広げる対話が各グループで繰り広げられていました。

今回は第1回ということもあり、講座とチームビルディングが中心でした!次回、各自が考えた“やってみたいこと”の共有をしていきます!

第2回こがのば実験室の様子|開催後、順次更新予定!

第3回こがのば実験室の様子|開催後、順次更新予定!

第4回こがのば実験室の様子|開催後、順次更新予定!

第5回こがのば実験室の様子|開催後、順次更新予定!

こがのば実験室に参加した感想|開催後、順次更新予定!

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この記事を書いた人

福岡県古賀市が地元。7年間の東京生活を終えて、Uターン移住で古賀に戻ってきました!これから、古賀市を中心としたしこふむ地域(新宮町・古賀市・福津市・宗像市)のローカルメディアをつくっていきます。

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