今注目の古賀駅西口に2022年11月19日にオープンしたナツメ書店古賀店さんを取材しました。
ナツメ書店さんを取材するキッカケは、とある取材中に遭遇した古賀マガジン読者さんからいただいたリクエストです。
「古賀にとても素敵な書店ができるので取材して下さい!」と。その期待にこたえるべくナツメ書店さんへ取材をオファーしたところご快諾いただき実現。
9年目を迎えるナツメ書店さんのこれまでの歴史を紐解きながら古賀店オープンの裏話までたっぷりとご紹介します。
ナツメ書店古賀店とは
ナツメ書店古賀店(正式名「ナツメ書店 / Sleep Coffee and Roaster 古賀」)とは、福岡市東区西戸崎にあるコーヒー豆の焙煎・販売をおこなうロースタリー「Sleep Coffee and Roaster」と併設された書店・ナツメ書店の2号店として2022年11月19日に古賀駅西口エリアにオープンしました。
ご夫婦で営む同店の書店は妻の奥由美子さん、ロースタリーは夫の雄祐(ゆうすけ)さんが主に担当しています。
小さな書店ですが店頭に並んでいる書籍のラインナップは幅広く、店を訪れる人それぞれの好きなコトやモノが見つかり人生がちょっと豊かになるキッカケを得られる。そんな落ち着きとワクワクが相まった書店です。
ナツメ書店古賀店の外観
ナツメ書店古賀店さんの外観は、昔ながらの趣あるネイビーブルーのタイルが印象的です。
築104年(大正8年造)、これまでも店舗部分を何度か改装しながら長年理容室として地元で愛されてきました。
今回のナツメ書店開店へ向けても、建物のもつ本来の良さを最大限生かすことにこだわり改装を行いました。
理容室から時を経てナツメ書店さんへと受け継がれた建物、古き良きものに新たな息吹きが吹き込まれた魅力を肌で感じることができます。
ナツメ書店古賀店の内観
ナツメ書店古賀店さんの内観です。店内はあたたかみのある照明、味わいのある書棚に本がゆるりと並んでいます。
店内も外観と同様に、壁と窓のサッシを塗り替えただけでほぼ当時のままなんだとか。
初めて来たのに「あれ?なんか落ち着く。」そんなホッとする空間です。
元々は理容室だったことから、どこが待合室?シャンプー台?と想像しながらの会話も弾みそうです。
ナツメ書店古賀店での過ごし方
ナツメ書店古賀店さんでは主に書籍と自家焙煎のコーヒー豆の販売をおこなっています。気になる本を手にとってみるもよし、読みたい本を由美子さんに相談しながら一緒にさがすもよし。
また、お好みのコーヒー豆を探すのもコーヒー好きには至福の時間となることでしょう。
店内にはちょっと腰掛けるのにぴったりな椅子もあるので、気になる本をつまみ読みしてみることもできますよ。
現在、古賀店ではキッチンとギャラリーの設営工事中です。今後は飲食のテイクアウト、ギャラリーでの展示やイベントの開催も行う予定です。
ナツメ書店古賀店の営業時間・アクセス
〒811-3101福岡県古賀市天神1-9-8
駐車場1台あり
営業時間は12:00-18:00、定休日は月・火曜日です。
ナツメ書店誕生秘話
2014年に由美子さんが北九州市小倉エリアで活動するまちづくり会社へ転職したことがすべてのはじまりでした。
幼少期から本が大好きだった由美子さんは当時、一般事務の仕事に就いていましたが本に携わる仕事がしたいという長年の思いを実現するべく「編集」をキーワードに転職活動を開始。たどり着いたのが北九州市にあるまちづくり会社でした。
一見、まちづくり会社と本に携わる仕事は無縁のように感じますが社員のやりたい!を全力で応援してくれる素敵な会社で、何気ない会話の中で由美子さんが「いつかは本屋さんをやるのが夢なんです。」と話したことがキッカケとなり「まちに本のある空間を作ろう」プロジェクトがスタート。
既存の建物の活用を通してエリア活性化を目指すまちづくり企画と由美子さんの夢がコラボレーションし、2014年夏に北九州市小倉北区魚町にある「Mercato3(メルカート三番街)」内に最初のナツメ書店(以下「小倉時代のナツメ書店」と称する)が誕生しました。
小倉時代のナツメ書店
小倉時代のナツメ書店は由美子さんの手持ちの本を並べた図書館としてスタートしました。その後、2014年10月に正式に本の販売を開始し書店として本格的に運営を開始。
店名の由来は、大正・昭和の日本文学の中でも由美子さんがこよなく愛する夏目漱石にちなんで「ナツメ書店」とプロジェクトメンバーにより名付けられました。
その後約2年間、まちづくり会社の仕事と並行してナツメ書店の運営を行ってきましたが、2016年に書店に専念して歩む決意をし、まちづくり会社を退職し独立しました。
ナツメ書店西戸崎店
まちづくり会社を退職後、引き続き愛着のある小倉のナツメ書店での営業を続けていましたが、店内の広さが5、6坪という手狭さから「いつかはゆっくりとコーヒーを飲みながら本を読んでもらえる空間をつくりたい」と夢見はじめました。
そんな矢先、すぐに素敵なご縁に恵まれ、思い描いていた物件と巡り合うことができ、2017年10月に福岡市東区にある現在の西戸崎店へと移転オープン。
その頃に由美子さんは雄祐さんと結婚し、夫婦でナツメ書店として歩みはじめました。
ナツメ書店古賀店
2017年以来、西戸崎店でたくさんの人と出逢い、ご縁を紡いできた奥さんご夫婦。実は、西戸崎店でのご縁がきっかけとなり古賀店が誕生しました。
というのは、2020年から毎月出張本屋として出店していた福津市にあるnankaさんへ向かう道すがら、古賀市のノミヤマ酒販さんに立ち寄ってお子さんの本をお届けしていたご縁が、現在の古賀店の建物とのご縁に繋がり2022年11月に古賀店をオープンする運びとなったんです。
古賀店の建物とのご縁をいただいたのが2022年の1月頃で、西戸崎店の課題でもあったアクセスの面で古賀市は高速道路のインターチェンジがあり、小倉時代からのお客さまのアクセスのしやすさや博多駅から快速電車で約20分と利便性も魅力で古賀店オープンの決め手の1つだったとか。
ナツメ書店にはどんな本があるの?
ナツメ書店さんに並んでいる本は、出版社から発売されている本だけでなく個人で出版された本まで由美子さんが想いを込めて厳選したものです。
ひと目見るだけでそのこだわりや想いが伝わってきます。
読みやすく、手にとりやすく、長く手元に置いておける本を届けたい。
手にとった本が新たなもう1冊を探すキッカケ、もう1度読んで見ようとページをめくるキッカケの本となり、次第に暮らしの一部になっていく。そんな由美子さんの想いや愛情を込めた選りすぐりの本が店頭に並んでいます。
幼少期からずっと本のある暮らしを送ってきた由美子さんだからこそ、お客さまと丁寧にじっくり会話をする中でその人にフィットする読みやすく、手に取りやすい本を選ぶのが得意なのです。
ナツメ書店の想い
「本はタイミングなので読みたい時に読んでもらいたいです。一方で、変わりゆく時代の中で変わらないものが本の中には書かれていると思うので、ナツメ書店を通じてその魅力に気づいてもらえたら嬉しいです。」
また、「この古賀駅西口エリアで商いをする先輩方はそれぞれがプロフェッショナルで、その店へ行けば最適なアドバイスを受けながら商品を購入することができる。それってすごく贅沢なことで小さな店だからこその醍醐味ではないかと思っています。ナツメ書店もいずれはこの街の一員になれるよう、そんな先輩方の背中から学んで行きたいです。」と、由美子さん。
最後まで周囲への尊敬や感謝の気持ちを口にする由美子さんの真っ直ぐで思いやりのある人柄が、ナツメ書店さんが縁に恵まれ多くの人に愛される理由だと確信しました。
たくさんのこだわりと想いを込めた本の並ぶナツメ書店古賀店に、人生のパートナーとなるような1冊の本と出逢いに足を運んでみてはいかがでしょうか。
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