こんにちは。福岡で活動しているライター、大塚たくまです。
ぼくは悩みがあります。
お酒に弱くて、お酒を飲むとすぐ酔っ払ってしまうせいで、飲酒を上手に楽しめないのです。
いまひとつお酒と仲良くなれないまま、もう34歳。友達とバーに行くのも、なんだか落ち着かず、緊張を隠しながらやり過ごしています。
お酒も飲み会も嫌いなわけじゃないのに、お酒が弱いせいで、盛り上がる飲みの席で疎外感を感じるのは寂しい。
お酒弱いけど、飲酒は楽しみたい!お酒強い人たちだけ、ズルいぞ!!
そこで、今回は酒屋さんにぼくの悩みを聞いてもらうことにしました。お酒が大好きな古賀マガジン編集長の松見さんと一緒に、ノミヤマ酒販の許山さんにお話をうかがいました。
お酒が弱い人でも、お酒を楽しめるの?
ノミヤマ酒販は酒屋とは別の出入り口があり、なんとそこには角打ちスペースが。
酒屋とは独立しているので、酒屋に行かなくても角打ちを楽しめます。
大塚さん、なんか落ち着かないですね。
お酒が弱くて、お酒のことを知らないと、こういうこだわりのある感じの酒屋さんがコワいんですよね。
ライターなのに、コワがってたらダメでしょう!許山さん、今日はよろしくお願いします。
そもそもコワいというのは……めっちゃおしゃれなお店で洋服選ぶみたいな感じですか?
それですそれです!そのコワさ。だからぼく、まだバーにすら落ち着いて行けないんですよ。いい年なのに……。それが恥ずかしくて。
コワくないでしょ!ぼくはよくお酒を飲むんですけど、大塚さんがあまり飲めないというのは、ちょっと意外でした。
お酒を飲むとすぐに顔が真っ赤になっちゃって。でも、ぼくはお酒が嫌いなわけじゃないし、もっとお酒と仲良くなりたいんです。こんなぼくでも、お酒を楽しむことはできますか?
もちろん、楽しむことはできます。今日は、普段お酒をあまり飲まない人でもお酒を楽しめる入り口をつくれればなと思います。
自分なりのお酒との付き合い方を見つける
大前提として、お酒は楽しいものです。楽しくなくなるくらい、無理に飲む必要はありません。
自分が楽しく飲める量はきちんと把握していたほうがいいんですね。
そうです。お酒の付き合い方は人それぞれ違うんですよ。まずは、大塚さんなりのお酒との付き合い方を見つけることが重要だと思います。
ぼくなりのお酒との付き合い方……。そんなことを考えたことはあまりなかったですね。
「自分に合うお酒」もあると思います。たとえば、ぼくはビールを飲むとすぐ顔が赤くなるんですけど、他のお酒だとそうでもなかったり。
そういった知識も、お酒との付き合い方を知る一歩なんですね。
お酒が飲める人の中でも、お酒の種類の好みも人によっていろいろと違いますもんね。それぞれの付き合い方を尊重しないといけませんね。
お酒が弱い人は「飲酒時に水を飲む」のが最優先
お酒を知りたいけど、お酒が本当に弱いので、ちょこっとしか飲めないんですよ。よくウコン系のサプリとかを飲んで対策するんですけど、あんまり効果を感じないんですよね。飲めたら楽しそうなのに……。
お酒に弱い人が楽しむコツとして、まずおすすめしたいのは、お酒を飲みながら水を飲むことです。
おお、なるほど。「そりゃそうだ」と思うのに、意外とちゃんとやったことがない。
めっちゃシンプルですね……。
お酒を飲み始める学生時代に、そんなことは教わらないじゃないですか。
たしかに。お酒と一緒に水を飲んだら先輩に「なん水飲みよっとや〜!」なんて言われて。
あるあるですね。飲み会の序盤で水を飲みにくい雰囲気があるかも。
ぼくがそれをやりだしたのはこの業界に入ってからですね。業界に入ってから、飲みに行ったときのお店が普通にお酒と一緒にお水が出てきて。チェイサーとして、水を挟みながら飲むわけです。すると、酔い方がぜんぜん違う。
そうなんですね。これまでは「アルコールの度数が低いお酒を飲む」とかでしか対応できないと思っていました。
水を飲めば、体内でアルコールは薄まりますからね。度数の高いお酒も少しだけ飲んで味わった後、すぐにたっぷり水を飲む。これをやるだけで、けっこう楽になります。
お酒をよく飲む人でも、水を飲んだほうが悪酔いしないだろうし、お酒もよく味わえるだろうから良さそうですね。
これからは積極的にお酒と一緒にお冷を頼みたいな。
「お酒で食事の時間を豊かにする」選択肢
お酒が強い人って「酔えば酔うほど楽しい」みたいな雰囲気あるじゃないですか。お酒が弱い人は「これ以上酔うとツラい」という状態が早々と訪れる。そこが、なかなか分かりあえなくて……。
それはありますね……。
アルコール摂取の目的って「酔って楽しくなる」だけじゃないと思うんです。ぼくが提案したいのは「お酒で食事の時間を豊かにする」という、食事を楽しむ飲み方ですね。
酒屋さんからそのようなお話が聞けると心強い!
けっして「酔っ払って楽しくなる」という飲み方を否定するわけではありません。それも、お酒の重要な楽しみの一つです。でも、お酒に弱い人が「酔って楽しくなる」世界だけでお酒を知ると、お酒を飲まなくなるんですよね。
たしかに。お酒と初めて出会う学生時代に「一気飲み」とか「潰す」「潰される」みたいな飲み方だけだとしんどいかも。
酔いやすいというだけでお酒から離れていくのは、もったいない。若いうちに、正しい飲み方をもっと知ってほしいです。潜在顧客を守ることは、業界にとっても重要なことだと思います。
たとえば食事を楽しむのに、大食いである必要はないですしね。お酒業界は「お酒に弱い人」なんて相手にしていないと思い込んでいました。
でもこれ、お酒に弱い人だけの話ではないですよね。お酒を普段から「酔うためだけに飲んでしまう」という人にも、豊かなお酒の時間を楽しむために重要な発想だと思います。
ぼくはこのような飲み方を推奨する啓発活動は重要だと思っています。
その水を飲みながらお酒を飲むという方法、いつもと酔い方がどう違うのか、試してみたいです。
でしたら、これから許山さんにお酒を紹介してもらうYouTubeを撮影するので、一緒に水を飲みながらお酒を飲んでみませんか?
ぜひぜひ!やってみましょう!!
お酒が弱いのに11種類を飲み比べ
その後、許山さんと一緒に「ここ古賀チャンネル」の撮影に臨みました。
許山さんがセレクトした日本酒や焼酎はそれぞれ面白い特徴があり、「日本酒にはこんなに幅があるのか」「こんなにフルーティな香りの焼酎があるのか」と発見の連続でした。お酒は面白い。
ただ、撮影は11種類もの日本酒や焼酎などのお酒を飲み比べるという内容で、お酒に弱いぼくにはいつもなら酷な内容……。
でも、今日のぼくは違います。なぜなら、ぼくには水がついている。
許山さん、水のおかげで酔い方が全然違います!すごい。
そうでしょう。でも、それで調子に乗って飲みすぎないように気をつけてくださいね。体が変わっているわけではないので。遠慮なく、どんどん水を飲んでください。
お酒じゃなく、水を明るくすすめてもらえる飲み会、幸せ。「カーッ」と熱くなりそうなタイミングで、水を飲むとスーッと冷めるのが分かります。
大塚さん、ずっと楽しそう。
こんなぼくがお酒を楽しめている事実が嬉しいです。たった水を飲むだけで、こんな感じになるなんて。今日の体験は一生忘れないと思います。
ぼくも、大塚さんが美味しそうにお酒を飲んでくれて、楽しそうなのが嬉しいです。
こうやってチョビチョビいろんなお酒を飲んで、水をぐいぐい飲むの、いいですね。こうやって、家で飲むのは楽しそうだなぁ。
たしかに。居酒屋とはまた違う、お酒の楽しみ方ですね。
そうですね。ぜひ今日をきっかけに、少しでもお酒を楽しんでくれたら嬉しいです。でも、本当に飲み過ぎには注意してくださいね。
じつは店主の許山さんもお酒が弱い
ノミヤマ酒販さんは「お酒を愉しむきっかけを提供したい」というコンセプトを持ってらっしゃるんですよね。
そうですね。もともとはスーパーとかドラッグストアとかと同じようなお酒を販売していたんですけど…。
当時からどんどん安売り合戦になっていて、これリアルな話スーパーやドラッグストアの売値がうちの入値より安かったり。。笑
とてもじゃないですが価格を安くして生き残れるような規模のお店ではなかったので。
なるほど。それで方針変更をしたんですね。
3年前にこの店を継いだ時に「安売りせず、良いものを繋ぐことで、売上の基礎をつくっていきたい」と考えました。
そのような考えに至ったのには、何かきっかけがありましたか。
この業界に入ってから、小さな規模の顔の見える造り手さんが作った酒を飲むようになったんです。「全然違う」と感動したんですよ。その結果、ぼくもお酒が弱いんですけど、毎日飲むようになりました。
えっ、許山さんもお酒、弱いんですか!?「のみやま」というくらいだから、山のように飲む人かと……。酒屋の人って、全員お酒が強いのかと思っていました。
そんなことないですよ。お店ではぼく自身がお酒を楽しむきっかけとなったようなお酒を紹介して、繋げていきたいと思っています。そして、いろんな酒蔵を知ってほしいです。
素敵なお店だ。
お酒の世界を広げてくれるお店ですよね。取り扱うお酒はどのようにセレクトしているんですか。
「このお酒だったら、苦手な人にも楽しんでもらえるかなあ」と考えています。お酒に弱い人という意味だけでなく「焼酎が苦手な人でもおいしい焼酎」とか「日本酒が苦手な人でもおいしい日本酒」とか。
おお、それはいいですね!普段お酒を飲んでいる人にとっても、楽しそう。
お酒に対してポジティブな経験を提供して、もっとお酒を楽しむようになる第一歩を手助けしたいという想いがあります。
お酒に感動して「腑に落ちる経験」を
お酒の世界を広げるために、意識してされていることはありますか。
まず「興味を持ってもらうこと」が重要ですよね。自分の言葉で情報を発信することを大切にしています。その手段がInstagramやFacebookなどのSNSです。ただ、かなり長文を書いてしまっているので、あまり上手ではないと思うんですが……。
いやいや、最高ですよ。お酒への愛情が伝わりますし。
こういうところから興味を持ってもらって、「腑に落ちる経験」をしてほしいと思っています。
腑に落ちる経験……?
お酒に感動して「日本酒って、こんなに美味しかったんだ」とか「焼酎って、こんなに美味しかったのか」って、納得してほしいんです。そのような経験をきっかけにして、業界に入る人もいますよ。
ぼくも今日、初めていろんなお酒を飲み比べるのが楽しいと思いました。お酒の味を楽しめて、嬉しいです。
お酒をあまり知らない人ほど、こうやってお酒のことをしっかり説明してくれる酒屋に行ったほうがいいですよね。
これまで、こういった酒屋さんは「お酒が好きな人の場所」だと思って、敬遠していました。じつは逆だったんですね……。
これからも可能な限り、敷居を下げたいと思っています。売っているお酒はけっこうインディーズなものが多いかもしれませんが、メロディはJ-POPってくらい馴染みやすいものが多いはず。これから、もっとお酒を楽しみたい人に来てほしいですね。
ぼくもまた行きます。今日は貴重な体験をさせていただき、ありがとうございました!
お酒の世界は想像以上に広くて深くて面白い
ぼくは今回、お酒を楽しむことができて新たな世界が広がりました。
それからというもの、友人と飲むときも必ず「お冷」を一緒に注文することで、飲み会で変に疲れたり、酔い過ぎてしまうことがなくなりました。
そして、適度なお酒と一緒に食事を楽しむことで、より豊かな時間が過ごせるようになったのです。食事の選択肢が増えたことが、何より幸せに思います。
ぜひあなたも、古賀駅に来たら、ノミヤマ酒販へお酒の世界の広さを体験しにきてください。お酒の世界は思ったより広くて深くて面白いみたいなので、ぼくももっと知りたいと思いました。
家飲みをレベルアップさせるお酒と飲み方を古賀市のノミヤマ酒販さんに伝授していただきました。「ここ古賀チャンネル」で公開されています!
YouTube(前編)
YouTube後編
コメント
コメント一覧 (1件)
酒が弱いといっても程度の差があると思いますが、飲み会を楽しみたいと思えるだけえらいなと思います
僕は職場で必須と思われるもの以外は行きたくないです
交友関係が広まらないことは甘んじて受け入れようと思っています
あの頭の痛さ、トイレにいつ立つかにのみ神経を集中させられる時間、正直味わいたくないです
一方でお酒を上手に断ることもできません
酒が弱いのに飲み会を楽しみたいという皆様に僕の分まで楽しんでいただきたいです