今回は2022年4月に創業30周年を迎えた、宗像市の辛子明太子うめ屋さんを古賀マガジン編集長の松見と、ライターの山下の2名で詳しく取材してきました。
明太子工場の見学、簡単ひと手間で明太子がよりおいしくなる食べ方など、みなさんにより身近な切り口で明太子の話をうめ屋専務の清永さんにたっぷりと伺っています。
明太子は滅多に食べない。自宅の冷凍庫で明太子がねむっている!そんな人にはぜひ読んでもらいたい記事です。
うめ屋とは
うめ屋さんの創業時期やどんな会社なのかを教えてください。
うめ屋は、1992年に明太子の製造・販売をおこなう「有限会社 うめ屋」として宗像市で創業しました。
宗像市徳重に本店と工場がありモノ作りにとことんこだわっています。人と人とのおもいをつなぐ製品づくりに努めており、その象徴として辛子明太子をつくっているんです。
また、2014年ごろよりお客さま参加型の企業へと方向転換し、新たに歩みはじめました。きっかけは、以前アメリカへ行ったときに「食文化には食べる人、つくる人、応援する人が必要」であることを肌で感じ、感銘を受けたからです。
その第一歩として2018年にUMEYA BRAINERY(ウメヤ ブレイナリー)を創業し、チョコレート工房の運営を開始しました。地域に応援される企業をスローガンにお客さまとともに「明太子文化」を守り、継承し、発展させていくのがうめ屋です。
うめ屋のこだわり
うめ屋さんの明太子の特徴やこだわりを教えてください。
うめ屋の最大のこだわりは目の行き届く範囲で丁寧に製造し、納得したものだけを製品として世に出すことです。そのこだわりを具現化するため、うめ屋では先代のつくった味を守りつつも進化させていくことを大事にしています。
他社製品と比べても全体的にあまいのがうめ屋の明太子の特徴です。先代の社長が田川出身で甘みのある味が好みだったことから、今でも甘みのある味つけにはこだわり続けているんです。
また、明太子の粒子感にもこだわり、熟練の技をもってしっかりと原料の仕入れ時期を見定めています。
具体的には、明太子の原料である「スケトウダラ」の卵が例年1月後半~3月中旬ごろとされている中でも粒子が最も良い「真子(まこ)」という産卵直前の時期をのがさないようにしています。
うめ屋の明太子工場を見学
ここからは少し肩の力をぬいて読んでくださいね。
「そもそも明太子ってナニ?」のQ&A、明太子の工場見学、超簡単アレンジレシピを紹介します。
手土産に明太子を渡すときのエピソードにぜひ使ってください!
明太子Q&A
工場見学の前に、事前に7人の友人・知人に「明太子のどんなことが知りたい?」をヒアリング。
その中から厳選した3つの質問を清永さんにきいてきました。
質問1「明太子は何の卵?」
まず、そもそも明太子って何の卵ですか?
スケトウダラの卵です。よくマダラとまちがわれますが、スケトウダラの卵でなければ「明太子」とは名乗れないんです。
明太子と名乗れるのがスケトウダラ限定とは知りませんでした!
わたしも初めて知りました!
意外と知られていないんですね。
質問2「明太子はなぜ赤い?」
次に…明太子はなぜ赤いのでしょうか?
じつはスケトウダラの卵をとりだすときに無理な力がかかり内臓が破裂し、みどり色をした胆汁が付着することがあります
胆汁のみどり色・・・食欲そそるとは思えませんね。
そうですよね。これも明太子を赤色にしている理由の1つと言われています。
いや〜まったく知りませんでした。とても興味深いです!
ちなみに、明太子はグレードが低いものは着色していますが、グレードが高いものは胆汁をカットしているので無着色で販売されているんですよ。
そんな裏話まで!
ぜひ、記事に書かせていただきます(笑)
質問3「明太子は地域によって特徴があるの?」
明太子は地域別で味の特徴やちがいがありますか?
その質問、ぼくも気になりました。
地域ごとに明太子に味のちがいはあります。
・山口・下関エリアは醤油にこだわった味つけ
・北九州エリアは昆布漬けにこだわった味つけ
・福岡エリアは日本酒にこだわるメーカーが多く、大人向けで料亭系の出汁でさっぱりとした味つけ
ざっくりと特徴を説明すると、このようになります。
これは地域ごとに話し合って決めたんですか?
いえ、話し合いなどは特になく自然の成り行きではないかと。
うめ屋さんはどのエリアの味つけですか?
うめ屋の明太子は北九州エリア寄りですね。よりまろやかなものにしたくて、先代の社長の影響もあり、子どもでも食べられるように濃い口で甘めの味つけにしています。
ご飯に合うような家庭的な味つけなんですね。
明太子とご飯が食べたくなってきました(笑)
ぜひ、明太子の話題になったときには豆知識としてドヤ顔で話してみてくださいね!
うめ屋の明太子工場を見学
今回なんと!うめ屋さんの明太子製造工場を特別に見学させていただきました。
写真を添えてうめ屋さんの明太子ができるまでの工程をお見せします!
工場見学に来たと思って楽しんでくださいね。
うめ屋の工場では約20名のスタッフが日々、明太子の製造をしていますよ。
製造工程
この日は段ボール16箱分の原料が届いていました。1箱に23kg原料が入っています。多いときはこの日の2倍にあたる32箱ほど届くこともあるんだとか。
棚に並べて原料を解凍します。
解凍を終えたあとはカゴにいれて人の手で洗います。
洗いおわった原料のたらこと調味液を回転機にいれ、1回目の漬け込みをおこないます。この回転機は自動で定期的に回転します。
STEP5~7では3〜6℃の冷蔵庫に保管します。
約20名の従業員の方が工場内でとにかく手際よく作業をすすめている様子が印象的でした!
明太子をよりおいしく食べるワンポイント
超簡単ひと手間で明太子をより美味しく食べられるワンポイントがあれば教えてください。
みなさんにとって身近な明太子メニューの中から3つお伝えしますね!
(1)ごはんに明太子をのせて食べるときの簡単ワンポイント
明太子に切り目をいれて電子レンジを600wで30秒ほどあたためます。(お好みにあわせてあたためる時間は調整してくださいね。)
すると焼き明太子にちかいホクホクとした食感になり出汁の香りもよりゆたかになりおすすめです。
レンチンした明太子にマヨネーズをあえてもおいしいですよ!
(2)明太子パスタをつくるときの簡単ワンポイント
さいごの盛りつけ直前に、お皿にパスタをのせてから明太子をあえるようにしてください。
フライパンの中で明太子をあえると余熱でも明太子に火が通ってしまいます。
(3)明太子トーストをつくるときの簡単ワンポイント
明太子はパンと一緒にトースターで焼いた方が生臭さが残らずよりおいしくいただけます。
うめ屋明太子アレンジレシピ
うめ屋明太子を知り尽くした清永さん直伝!
うめ屋明太子の超簡単アレンジレシピを3つご紹介します。
うめ屋明太子アレンジレシピ01
まずは「昆布明太子と大根の浅漬け」のつくり方をご紹介します!
用意するもの
- うめ屋「昆布明太子」:適量
- 大根:適量
- 食品用ポリ袋
つくり方
うめ屋明太子アレンジレシピ02
次に本格派「ラードとだしの明太子(たらこ)スパゲティ」のつくり方をご紹介します。
用意するもの
- パスタ:約100グラム
- ラード(牛脂でもOK):10グラム
- うめ屋博多辛子明太子(たらこでもOK):40グラム
- 和風or洋風だし:小さじ1-2杯(だしはなくてもOK)
- 塩:適量
- 耐熱ボール
つくり方
※ラードの代わりに牛脂の使用OK
※もし「だし」がない場合はいれなくてもOK
うめ屋明太子アレンジレシピ03
さいごにご紹介するのは簡単混ぜ乗せ「明太子&キムチ豆腐」
用意するもの
- 豆腐(おこのみの量)
- うめ屋「博多辛子明太子」
- キムチ
つくり方
お豆腐に明太子とキムチをのせればできあがり!
食べるときに明太子とキムチを混ぜ合わせながらたべるのがおすすめです。
うめ屋の明太子を紹介
うめ屋さんの明太子の中でも人気の商品を教えていただけますか?
人気の商品ですね。じつはうめ屋では自宅で味わう家庭用の明太子が人気なんです。
えっ!パッケージがとても美しいので贈答用の商品が人気なのではないかと思っていました。
道の駅むなかたさんでも販売していることから、ご家庭で気軽に召し上がっていただくことが多いんです。
道の駅むなかたさんでも、うめ屋さんの商品を買うことができるのは嬉しいですね。
うめ屋の商品を購入いただけるのは「道の駅むなかた」さんか「うめ屋本店」だけなので、ぜひあそびに来て下さい!では、人気の3商品をご紹介しますね。
ではさっそく、うめ屋人気3商品をご紹介していきます!
味噌明太子
味噌明太子はモンドセレクション金賞を17年連続で受賞。
また、うめ屋さん創業時の商品「もろみ明太子」が30年の月日をかけて進化してきた商品です。
先代の想いも引き継いだうめ屋の明太子文化、歴史を語るうえでは欠かせない代表商品です。
明太子に味噌をかけて食べたことがないので発想に驚きました!
味噌を明太子にかけて食べる商品開発を試みたのは明太子業界ではうめ屋が初めてだったんです。
業界初となると、ご苦労もあったのでは?
そうですね。いかなる状況下にあっても思いを貫くことで、「味噌明太子」を世に送り出すことができました。
うめ屋さんの「モノづくり」へのこだわりを感じます。
島めんたいこ
島めんたいこは沖縄県でしかとれない「島唐辛子」をつかった商品です。
島唐辛子を粗挽きにしてじっくりと漬け込み、ほのかな甘いかおりとは裏腹に口にいれると強烈な辛さが押しよせます。
辛いもの好きな人にとってはもう一口食べたくなるクセになる美味しさです。
「島唐辛子」と一般的な唐辛子のちがいが気になります。
島唐辛子は、一般的な唐辛子に比べると実より種が多いんです。
えっ、種をすべて取りのぞいているんですか?
いえ、どうやって種を取りのぞくかではなく、種まで使うことができるのかを考えて「うめ屋独自の技術」で種までつけています。技術力には自信があります!
まさに逆転の発想。
うめ屋さんの技術力の高さゆえにうまれた商品ですね!
昆布巻明太子
明太子を昆布でくるりと包みこんでいるのが特徴です。
昆布巻明太子はうめ屋さんの明太子の中でも特にあまく煮つけているので、個人差はありますが辛味が苦手な方でも食べやすくなっています。
わたし、じつは辛い食べ物が苦手なので明太子を食べる機会があまりないんですが、この昆布明太子なら食べられそうです。
昆布巻明太子はお子さんが好んで食べて下さっているご家庭もあるので山下さんもぜひ試してみてください。
食べてみるのが楽しみです!
極度に辛味の苦手な山下が実際に家庭用の「昆布明太子」をたべてみたところ、辛くて口がヒリヒリ…。
「明太子をおいしく食べるワンポイント①」で紹介した明太子のレンチンを試すと、食感や香りが増すだけでなくまろやかな味わいで辛みが軽減し美味しくいただけました。
繰り返しになりますが、うめ屋さんの商品を購入できるのは「うめ屋 本店」と「道の駅むなかた」の2店舗限定です。
うめ屋さんのすべての商品を取り扱っているのは「うめ屋 本店」だけなのでぜひ本店へ足を運んでみてください。
うめ屋の今後
うめ屋さんの今後の展望を教えて下さい。
うめ屋は2022年に創業30周年を迎え、改めて地域のみなさまとともに歩んでいける「地域から応援される企業」を目指し、お客さま参加型のオープンな企業へと進化していきます。
成功も失敗もすべてさらけ出し、お客さまにとってより身近で親近感のある企業となることが目標です。
今後はイベントなどを積極的に開催し、まずは「うめ屋」を、さらには「明太子」に興味をもってもらえるよう努めます。
うめ屋アクセス
住所:福岡県宗像市徳重545-6
駐車場はうめ屋本店の店舗うらにあります。
うめ屋営業時間
月〜土曜日9:00〜18:00、日曜日9:00〜17:00 不定休です。
うめ屋まとめ
今回は宗像の辛子明太子「うめ屋」さんをご紹介しました。
清永専務をはじめ、従業員のみなさん笑顔でやさしく店内はとても和やかな雰囲気でした。
普段から明太子を食べる人も、明太子ってなんだか遠い存在という人にもこの記事をきっかけにぜひうめ屋さん本店へ足を運んでみてはいかがでしょうか。
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